浦沢直樹の『20世紀少年』を1巻からじっくり読み始めた。というのも、22巻が最終巻だと思って読んでみたら、まったく意味が分からなかったのだ。21巻を読んでからかなり時間が空いたというのもあるんだけど、思っていたような「解答編」みたいな結末じゃなかった。謎は謎のまま。探偵小説で犯人もトリックも明かされない感じの肩透かし。でも、きっと読み返せば犯人もトリックも分かるようにヒントはすべては読者の前に提示されているはず。そう信じての再読だ。
読み返しながら思ったんだけど、再読するときっちりと練られていることに驚かされる。いろんな複線があっちに張られ、こっちに張られ……。実は決められたレールに乗っかって物語が進んでいるような感覚がある。
まあ、浦沢直樹は『Monster』で大風呂敷を広げてしゅん、と萎んで収束したような感じもあったので、何とも言えないんだけど。でも、この『20世紀少年』は時系列があっちに飛び、こっちに飛びしながら物語が構築されていく。その手法とか、勉強になるよなあと思っているので、まあ、がんばって読んでみようと思う。基本的に「ヒキ」がうまい作者さんだよなあ(遠望)。
PR