「神話が好き」と言うとちょっと違う気がするので、いつも「神話・伝承の類いが好き」と言うようにしている。何しろ「神話」という言葉がよくない。だって、神話って、神さまの話という印象がある。でも、神話には神さまが主人公じゃない話だってたくさんあって、英雄が怪物を退治する物語なんかも神話なのだ。
何でこんなことになっているのか。この背景は明治時代にある。もともと「神話」という言葉は「myth」の訳語として明治時代に使われるようになった言葉なのだ。英語の「myth」はギリシア語の「ミュソス」(ケータイからの更新なのでギリシア語は打てないけど)に由来する。「ミュソス」は《物語》という意味。要するに語られる物を指した言葉だったのだ。英雄譚だって、だから、立派な神話なんだけど、どうも「神話」というともっと限定的なイメージを持ってしまう。
神話、伝承、民話、伝説、歴史、昔話、お伽話、小説、教典。いろいろな「物語」があるんだけど、それぞれのニュアンス、使い分けが難しいよなあ。そんなわけで、ボクは全部ひっくるめて「ファンタジィ」と呼んでしまうことにしている。歴史や教典まで含めてファンタジィと呼んでしまうのは乱暴だろうか。でも、歴史だって想像力で埋め合わせをしているし、教典は信者以外には荒唐無稽のファンタジィだ(←失礼なヤツ)。
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