『小田霧響子の嘘』というドラマが始まった。若干、ドタバタ・コメディ的な雰囲気もあるんだけど、でも、ボクは『ライアー・ゲーム』のときから、この原作者・甲斐谷忍さんが好きだ。きっと理詰めで勝負してくるに違いない。そう踏んで見始めている。
案の定、ミステリィだった。でも、珍しくハッピィエンド指向。こういうのっていいなあ。事件があって、解決して、それで犯人が断罪されるのではなく、救われる。探偵役の主人公がエセ霊能力者であることに起因するんだと思う。
ボクは、昔、マジシャンと宗教家の話を書いた。どちらも人を幸せにするために嘘を吐く。どちらも似た者同士だ。そうやってマジシャンは新興宗教を背負い、宗教家は流浪のマジシャンになる。そんな話。
この主人公も一緒だ。エセ霊能力者をやりながら、相手の悩みに立ち向かい、救いを与えようとする。救いのための嘘だ。それが大団円に繋がる。
彼女のパートナー、谷口さんは刑事だ。これは原作とは違う設定。いつか、やさしい嘘だけじゃ片付かない重たい事件も起きるのかもしれない。そのときにどうやって彼女が立ち向かうのか。
そんなことを思いながら、ドラマを見ている。
PR