livedoorニュースで「実名で行こう。」というウェブサイトが紹介されていた。オンラインでHNを使ってやりとりするのが当たり前になっている昨今だけど、オンとオフを使い分けないで、オンラインも実名で行こうよ、という取り組みらしい。そうすれば、過度なバッシングや無責任な発言は減るだろうという。
実名で行こう。:
http://www.facebook.com/pages/shi-mingde-xingkou/103746536361231まあ、そうだろうなあと思う。mixiみたいなSNSは、もともとそういう発想だ。紹介者なしでは入れない。紹介者は一定期間、紹介した人間の責任を負う。ケータイのアプリも、そういう囲い込みが行われている。紹介者を設定したり、ケータイのメールアドレスで登録させたりすることで、情報の発信者の身元が特定できることをある程度、担保しているわけだ。
ボクは、でも、HNでもいいと思うんだよなあ。まあ、ポイとHNを捨てて、これまでの記録をリセットして、新規HNで活動を始めたり、ネカマのように、まるで現実とは別人のようにオンラインを闊歩したり、いろいろとHNにも問題はあるのかもしれないし、そういうのって、無責任っちゃ、無責任なんだけど。でも、夜の街に行って自分のことを「ジョニー」と呼ばせて楽しんでいるおっちゃんがいるように、ケとハレというのかな。非現実を楽しむというのも、オンラインのひとつの醍醐味だ、とボクは思う。
それに、今はまだ、ネットの世界は無法地帯みたいになっていて、モラルが低いから、実名で活動することは危険だと思う。実を言うボクもHNで活動しているけれど、2ちゃんねるで、当時、通っていた大学名や家の最寄り駅、いろいろな人間関係を暴露されるというトラブルに見舞われたことがある。別にほとんど顔見知りみたいな人間たちの中でやっているウェブサイトだから、そんなにでっかいダメージはないんだけど、でも、個人情報の流出は怖いよ なあと思った。そんな記憶があるから、実名での活動を躊躇っていたりする。
確かに、ウェブサイトが現実でバレて困ることってほとんどない。ボクが妖怪好きだとか、神話マニアだということは、日常でもよく知られているわけだ。多分、上司だって知っている。ボクの創作活動だって、全然、日常でオープンなもんだ。積極的にurlを公開しているわけじゃないけど、別段、隠し立てしてやっているウェブサイトじゃない。だから日常の延長じゃないか、という主張は分かる。
でも、怖いのは反対だ。オンラインの人間たちがオフラインにやってくること。無責任で、モラルの低い、信頼できない人間に現実でまとわりつかれることは、ある種の恐怖だと思う。それはウェブサイトを10年近く運営してきて、常々感じることだ。非常に攻撃的だったり、感情的だったり、支離滅裂だったり、粘着質だったり。実に多種多様な人間がいることを、ウェブサイト運営はボクに教えてくれる。
オンラインの怖さとトラブル時の対応。その取り扱い方が分かってしまえば、まあ、そんなに怖くはないんだけど。でも、今の状況じゃ、安直に「実名で行こう。」とはならないよなあ。でも、この基本的なコンセプトには異論はない。いつか、そんなオンライン環境が整っていれば最高だ。理想系ということで。少 しずつ、いい環境づくりをしていく。そんな風に思う。まあ、まだ時期尚早ということかな。